アニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音響効果を担当した、音響効果技師の柏原満さんが、11月18日に亡くなりました。91歳とのことです。
1974年放送開始の『宇宙戦艦ヤマト』第一作の頃は家庭用VTRがまだ普及しておらず、私はTV放送の音をそのままカセットテープに録音しては何回も聞いていたものです。
台詞を暗記するほど聞き込みましたし、それと同時に宮川泰氏の音楽の素晴らしさを知りました。そしてもう一つ気づいたのが、「効果音」というものの存在でした。
ヤマトの主砲発射音や補助エンジン始動から波動エンジン点火に至るまでの一連の重厚な音の連なり、波動砲のエネルギー充填から発射に至るまでの劇的な響きに心を躍らせたと思えば、白色彗星が進むシーンで流れる音に、なんとも不穏な思いをかき立てられていったものです。
宇宙空間には音は存在しないはずなのに、柏原さんの描きだす ”ヤマト宇宙” には、観る者の心を揺り動かす ”音” が満ち満ちていました。
多くの才能が結集して作られた作品ですが、柏原さんの音響もまた、それ抜きでは『ヤマト』という作品が成立し得なかった重要なピースだったと感じます。
そしてそれは50年の時を経ても、私たちの心の中に鳴り響いています。
素晴らしい作品を創り出していただき、ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌。
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