※ネタバレを含みます。未見の方はご注意を。
■前章時点での予想(個人的な妄想です)
前章の記事で、デザリアムの正体を「並行世界における、時間断層を放棄しなかった地球の未来」が「並行世界(あちらの世界)のイスカンダルによってこちらの世界へ飛ばされてきた」のではないか、ついでに時間も何百年か過去に跳んでしまって・・・という予想(妄想)として書き散らした。
後章が公開され、さらにいくつかの情報が明らかになったことで、この予想をもう一度検証してみようと思う。
■後章で明らかになったこと
デザリアムの皆さんの台詞などからいくつか拾ってみよう。
○イスカンダルは「忌むべき星」
「一刻も早くイスカンダルを持ち帰るのだ。
この忌むべき星を我らの故郷に」(第5話)
○イスカンダルが持つ「呪われし力」=波動エネルギー
「その呪われし力が何をもたらすかも知らずに・・・」(第5話)
「波動エネルギーをもてあそぶ愚か者どもよ」(第6話)
「貴様たちには過ぎたる力だ。
いたずらにもてあそび宇宙そのものを破壊へと導く」(第6話)
イスカンダルが「忌むべき星」なのは、「呪われし力」を秘めているから。
そしてその「力」とは、波動エネルギーのこと。スターシャの発言からも、デザリアムの目的が「波動エネルギー」を我がものにすることだとわかる。
そして「波動エネルギー」が「何をもたらすか」をデザリアムは知っている。それは「宇宙そのものを破滅へと導く」こと。
デザリアムは波動エネルギーが引き起こす惨禍を見たことがあるようだ。あるいは、それは自分たち自身に起こったことなのかも知れない。
○デザリアムの歴史には断絶がある?
「おそらくは ”大喪失” に含まれる記録・・・あれは何者だ」(第5話)
過去のある時点で「大喪失」なるもの(おそらくは何らかの災厄)があり、そこで記録の喪失が起こって歴史に断絶が生じている。大喪失の時期のみの歴史が失われたのか、それ以前全ての歴史が失われたのかは不明だが。
デザリアムが地球の未来だとして、ヤマトのことを知らないのはこれで説明できるのだが・・・
○デザリアムは歴史を俯瞰して語る
「今という時を生きることしか知らない貴様たちには
しょせん理解できまいが・・・」(第6話)
未来人が過去の世界を見て言ってる台詞のようにも聞こえるが、単にデザリアム人が長命であることを示す台詞ともとれる。
デザリアム人が旧作のように機械化されているなら、たしかに長命になってるだろうが。
「既に次元潜航を実現していたとはうかつだった。
しかし潜航中の艦を捕らえて釣り上げる技術は
まだこの時空間にはあるまい」(第6話)
こっちの台詞こそ、デザリアムが未来人であることを示しているように思えるが。
○デザリアムは過去、イスカンダルと何らかの関わりがありそう
「忌むべき星イスカンダル。
その呪われし力は我らデザリアムの手で管理されねばならぬ」(第6話)
「忌むべきものを遠ざけるのではなく身の内に取り込む。
それでこそ我らは完全になれる。
我ら光と対をなす闇・・・イスカンダルを」(第6話)
デザリアムはこの時空で初めてイスカンダルと出くわしたのではなく、かつて何らかの関わりがあったように思われる。
”忌むべき星” 呼ばわりしてるくらいだから、過去にイスカンダルから ”ひどい目” に遭って、それには波動エネルギーが関わっていたのかも知れない。
しかも「対をなす」という意味深な単語。「光のデザリアム」と「闇のイスカンダル」は、過去のある時点で ”対等な関係” にあったか、あるいは ”もともと1つだったものが2つに分かれた” という解釈も可能だろう。
○デザリアム人は完全な機械ではなく、人間の感情を残したサイボーグ?
「揺らぎを感じます。お前の内深く生じた揺らぎを・・・」
「直ちに修正を」
「慌てずともよい。
その揺らぎこそ、デザリアム千年の夢が夢でないことの証し。
制御するのです」(第6話)
この辺の台詞の意味はよくわかりません。
私が考えたのは上に書いたけど、違う解釈もありそう。
○デザリアムのエネルギーは波動エネルギーと相性が悪い
「たった一発の爆弾がなぜ・・・」
「波動エネルギー・・・呪われた力よ」(第8話)
ゴルバ内部の誘爆が続くことからも、これは確からしく思える。ここは旧作の設定を引き継いでいるのか。
■潘恵子さんの起用
後章で一番のサプライズは潘恵子さんの起用。しかもデザリアムの「女帝」(?)役ともとれる立ち位置。
旧作「ヤマトよ永遠に」でサーシャ、同じく「ヤマトIII」ではシャルバート星のルダ王女を演じていましたね。
その彼女を起用したのは何故なんでしょうか。
[理由その1]
デザリアムの正体がサーシャ(イスカンダル)と何らかの関わりがあることを示す伏線?
[理由その2]
デザリアムの正体がルダ(シャルバート)と何らかの関わりがあることを示す伏線?
という可能性もありそうに思えます。
とは言っても、案外、旧作からのファンのための ”サービス出演” に過ぎなかったのかも。
■デザリアム再考
さて、後章で得た情報を付け加えて、さらなる妄想を組み上げてみよう。
[1] デザリアムの誕生
かつてイスカンダルとデザリアムはひとつで、過去のある時点で分かれたと仮定すると、ありそうなのはイスカンダルが武力路線(波動砲で大マゼラン銀河に覇を唱えた)を放棄することに決めた頃かと。
武力放棄に反対した好戦派が、イスカンダルと袂を分かった、それも、反乱を企てたが失敗し、追放されたのかもしれない。
イスカンダルへ並々ならぬ敵意を抱いていることから考えると、後者の方がありそう。
[2] シャルバート星
イスカンダルは天の川銀河の惑星をひとつ選び、コスモリバースでイスカンダルの環境を再現、その星に好戦派の者たちをエレメント化して封印した。その際、波動エネルギー技術も奪っておいた。これがシャルバート星。
その後、シャルバート星を訪れた異星人たちがエレメント化された超文明の一端に接し、神格化して敬うようになる。これがシャルバート教。
[3] ”大喪失” 発生
一方、時間断層を放棄しなかった地球では際限ない軍拡が続き、やがて内戦が勃発する。このとき、時間断層とともに歴史の記録の大部分が喪われてしまう。「波動エネルギーを弄んで破滅を招いた」わけだ。このとき、歴史/記録とともに波動エネルギー技術も失ってしまう。
地球は滅亡寸前まで人口が減り、人々の機械化・長寿化が進む。
[4] デザリアムによる併合
地球が内戦に明け暮れていた頃、デザリアムは数千年の眠りから覚めて自ら封印解除に成功する。行動の自由を取り戻した彼らは新たなエネルギー源を開発して内戦後の地球に侵攻、機械化した地球人を支配下に置く。
内戦で疲弊した地球はあっという間に併合されてしまう。ゴルバ内にあったアンドロメダの残骸は、このときに接収したもの。
[5] 並行世界への追放
地球を手始めにデザリアムは天の川銀河の征服に乗り出すが、それを知ったイスカンダルによって阻止されてしまう。
デザリアムは未来の地球人共々、並行世界の過去(ヤマト2205世界の過去)へ追放されてしまう。
[6] そして「2205」へ
ヤマト2205世界においても、デザリアムはイスカンダルへの怨みを忘れず、波動エネルギーの奪還を目的にリベンジマッチを挑むことに。それが「新たなる旅立ち」の物語。
デザリアムの目的は、”こちらの世界” を征服することか、”あちらの世界” へ帰還して ”本来のイスカンダル” に復讐することなのかは分からないが・・・
・・・この設定だと、”2205年のヤマト宇宙” のどこかにはシャルバート星があって、そこには古代イスカンダルの好戦派の方々が覚醒を待ってる、ってことになりそう。ただ、彼らが目覚めた世界には時間断層を放棄した地球があるわけだが・・・
うーん、とりあえず書いてはみたものの、いろいろしっくりこないところがあるなぁ。まあ所詮は一個人の妄想ですからね。
■「3199」予想
すでに「新たなる旅立ち」には旧作「ヤマトIII」の要素が多分に盛り込まれているので、「3199」もそうなると思われる。つまり「永遠に」にも「III」の要素が盛り込まれる。
上に書いた予想で、デザリアムの正体をシャルバートと絡めてみたのも、この流れを頭に置いて考えてみたもの。
さて、実際にはどんなストーリーになるのか全く予想がつかないけれど、いつも書いているとおり、ヤマトの新作について予想や妄想を展開できるなんて幸せな時代になったものです。
■終わりに
今回の記事は難産でした。最初の予定ではイベント上映の終了する頃に合わせて2月終わりくらいのアップを考えていて、2月中旬くらいから少しずつ下書きも始めていたのですが、途中からパタッと手が止まってしまいました。
いちばん大きな原因は私の怠慢なのですが、やはり影響が大きかったのはロシアのウクライナ侵攻のニュースでした。
連日の報道に心が痛み、フィクションとはいえ戦争を扱った記事を書くのに躊躇を憶えたことは否定できません。
そのくせ、読書録の記事は普通に書けてしまうのですから、なんとも自分の心理に不思議さを感じたり。ミステリだって人が死んでるのにねぇ・・・
いっそのこと記事のアップを止めてしまおうかとも思ったのですが、いやここで止めたら、それはそれで ”負け” なのではないか、とも思って何とかここまでこぎ着けました。
とはいっても、今までの記事と比べて、いささか切れ味の悪い内容になっているようでちょっと心残りではありますが・・・
それでも、何とか年度内には決着をつけたかったので、今はちょっとホッとしています。
つくづく思ったのは、カルチャー(サブカルチャー含む)は、平和があってこそ花開くし、心置きなく楽しめるということ。
1日も早く、世界に平和がもたらされることを願っています。
「3199」については公開時期さえ未だ明らかになっていませんが、早くても年末、下手すれば来年の春~夏頃じゃないかとも思ってます。旧作でも「新たなる-」と「永遠に」の間には1年ありましたからね。
多少時間はかかっても、しっかりストーリーとシナリオを練ってもらって完成度の高いものを見せてほしいと思ってます。
それまで、健康に気をつけて元気に長生きしなければね(笑)。
ここまで、長い長い駄文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
m(_ _)m
この記事へのコメント
コトリーヌパパ
お久しぶりです。
各話の感想UP、ありがとうございます。文字を読み直すことで新たな気づきが得られます。
総じて2205のお話には満足感を得られたのですが、
私がショックだったのはイスカンダル人が過去の破壊行動を反省したのではなくて、単に「外界に興味を失った」という
しょうもない理由で破壊行動を止めた、という設定です。
畜生にも劣る外道、という言葉が思い浮かびました。
外道、という言葉は、10年くらい前に次男と見ていた戦隊シリーズ「シンケンジャー」の敵方である外道衆と、繋がってしまいました。
外道衆の怪人は、「サンクテル」ではなくて、頭の二文字だけ同じ「三途の川」から出現したり
敵の女性幹部「薄皮太夫」は、情夫の魂を三味線に封じ込めて肌身離さず持っていたりと、意外な共通点が気になってしまい、
以後、真面目な妄想ができなくなってしまいました。
まぁ、8話のタイトルのセンスが昭和テイストだったり、ユリーシャがあまりに不憫だったりするのですが、
ラストの古代君の微笑には、色々と救われた思いがしました。
最後になりますが、古代君にエールを送ります。
頑張れ、古代君。
27歳というのは院卒社員の3年目だ。そのくらいの時期は思い悩みブレるのが普通だ。
星巡る方舟での凛々しさは、頼れる上司が存在している後ろの安心感があって発揮できたもので、環境が変われば自分も変わるんだ。
24歳の2202での停滞っぷりは、院卒の新入社員だと思えば当然なんだ。
例えはアレだが、頼れるバイトリーダーが正社員になった途端に、色んな事に縛られてグタグタになってしまったようなモノだ。
ただ、今度の3199ではは29歳なので、もう少し成長した姿が見たいな・・・
長文、失礼いたしました。
それでは。
mojo
>単に「外界に興味を失った」というしょうもない理由で破壊行動を止めた
まあガミラス人を「人猿」って呼んでる時点で、スターシャが言うとおり「貪欲で支配的で極めて利己的な」連中だということが実感できますね
>戦隊シリーズ「シンケンジャー」の敵方である外道衆と、繋がって
私も、全部の回は見てませんけど節目節目の回は見てました(笑)。松坂桃李の出世作でしたね。高梨臨さんがやたら色っぽかったのも覚えてます(おいおい)。
>ユリーシャがあまりに不憫だったりするのですが
でも、彼女の存在がスターシャにとっては心強いものでもあったと思いますよ。
旧作には存在せずに「2199」で設定されたキャラですが、2人の会話によってスターシャの心情を観客に伝えるという役回りでした。
古代守がいないぶん、ユリーシャの存在は大きかったと思います。
>最後になりますが、古代君にエールを送ります。
コトリーヌパパさんのこのコメントを読んで、私自身の新人時代を思い出しました。私は院卒ではなくて学部卒で就職しましたが、ほんとに悩みました。
特に2年目の迷走ぶりは今思い出してもゾッとします。よくあのときにクビにならなかったものだと思います。もしそうなっていたら、今の私はなかったと断言できます。
当時、壁にぶち当たって悩んでた私に、仕事を続ける機会を与えてくれた上司には感謝しかありません。
私が「2202」での古代の行動を肯定的に捉えていたのも、自分自身の新人時代の迷走経験を投影しているのかも知れないなぁ、ってコトリーヌパパさんのコメントを見て思い至りました。
>ただ、今度の3199ではは29歳なので、もう少し成長した姿が見たいな・・・
そうですね。ここで成長しなかったら意味が無いですね。
なんとなくですが、リメイクヤマトのシリーズは ”古代進の一代記” の様相が強まってきたように(個人的に)思ってます。
リメイクシリーズのラストは、老夫婦となった古代と雪が、博物館に記念艦として展示されているヤマトを眺めながら、昔を回想するシーンで終わる・・・なぁんてのが理想と(勝手に)思ってるんですが、さてどうなりますか。
ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。
めとろん
今回も「感想…のようなもの」、とても読み応えがあり、素晴らしい考察でいらっしゃると痛感しております。
次回の「3199」は制作が確定していますが、このままリメイク路線で行くならエンドが見えてきてしまう様な不安もあります。完結編と復活篇、それでも復活篇は別に第二部をやるのでしょうか。
私事で恐縮ですが中1の10月にヤマトに初めて出会い、高2で「さらば」、大学受験で「新たなる」、そして人生の折り返し点がだいぶ過ぎて2199、役職定年で2202そして定年後再就職還暦で2205と、ヤマトは私の人生でした。
出来れば最後のヤマトまでは元気でいたいものです。施設とか病院の待合室とかで「今回の森雪は…」とか独り言をぶって煙たがられてる爺さんにもなりそうですが(笑)
またブログ、楽しみにしております。
mojo
コメントありがとうございます。
>「感想…のようなもの」、とても読み応えがあり
記事にも書きましたが、今回は自分でも「切れが悪いなぁ」って思ってます。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
>このままリメイク路線で行くならエンドが見えてきてしまう様な不安も
「3199」に「永遠に」と「III」を組み込んでしまったら、
もう「完結編」しか残りませんからねぇ・・・
いっそのこと「復活編」までリメイクしてしまえばいいのでは(笑)。
始まったものにはいつか終わりがあります。
心配なのは、私が生きているうちに終わらないこと(おいおい)。
めとろんさんも書かれてましたが、
私も元気でリメイクヤマトの ”完結” を迎えたいと思ってます。
まあ、あと30年くらいはこの世に居座るつもりなのですが
こればかりは分かりませんからねぇ・・・
私自身は、「2202」完結以降はすっかり肩の力が抜けてしまって
”リメイクヤマト” という作品をかなり気楽に観られるようになりました。
「2205」以降は、”おまけ” というか
ここまでヤマトとつきあってきた ”ご褒美” だと思ってます(笑)。
本家「復活編」の第二部以降は、製作陣は作るつもりはあるとは思いますよ。
以前に読書録の記事に書きましたが
「宇宙戦艦ヤマト 黎明編 アクエリアス・アルゴリズム」の刊行は
その ”布石” らしいですから。
もっともいつになるのかはわかりませんけどね。
>中1の10月にヤマトに初めて出会い、高2で「さらば」、
>大学受験で「新たなる」、そして人生の折り返し点がだいぶ過ぎて2199、
>役職定年で2202そして定年後再就職還暦で2205と、ヤマトは私の人生でした。
私も20歳直前で「さらば」の衝撃を受け(笑)、
還暦で「2202」の完結を迎えました。
旧作からのファンは、ヤマトと自分の人生の節目を重ね合わせているでしょう。
>「今回の森雪は…」とか独り言をぶって煙たがられてる爺さんにもなりそう
いやぁ、とても楽しい爺さんですよ。私もそうなりたい。
旧作からのヤマトファンを含めて、
”オタク第一世代” がそろそろそういう年代に入ってきましたから
病院の待合で「今回の森雪は…」とか言ったら
隣に座ってる爺さん婆さんが反論してくるかもしれないですよ(爆)。
サブカルについて一家言ある老人ばかりになってたりしてね。
ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。