独裁者の求心力低下により、不安定化した北朝鮮。
軍部の暴発で大量の弾道ミサイルが発射されてしまう可能性があるが
北朝鮮のミサイルは自走式の可搬ランチャーに搭載されている。
これを破壊するには、大量の地上部隊を送り込むしかない。
米軍と自衛隊は共同でこの ”ノドンハント” の実行を決断するが
日本は拉致被害者の救出作戦をも同時実行することを計画する。
さらに、北朝鮮は天然痘ウイルスを密かに保持し、
それを用いたウイルス兵器開発も行っていると見られていた。
このウイルス兵器の奪取を命じられたのが
室賀了兵三等陸佐、そして彼が率いる
特殊部隊V-07(ヴィクター・ゼロセブン)だ。
海自潜水艦「こくりゅう」で北朝鮮東海岸へ運ばれ、
上陸を果たしたV-07は山岳地帯を進んで
ウイルス研究施設へ到達、制圧に成功するが
そこには拉致された日本人たちが働かされていた。
V-07の任務には拉致被害者救出は含まれていなかったが
急遽、彼らを保護しながらの脱出へと作戦が切り替えられる。
しかしそんなV-07に向けて北朝鮮軍の追撃が始まる・・・
メインのストーリーは、このV-07の奮闘ぶりなのだが
それと並行して、もう一つのテーマが語られる。
毎朝新聞社会部の記者・桐生琴音は、
山岳戦を専門とする陸上自衛隊第一三連隊の隊員が
種痘で副反応を起こしたとの情報を得て、室賀に接触する。
(V-07はこの連隊から選抜されたメンバーで構成されている。)
室賀の息子は、かつてポリオ生ワクチンが引き起こした薬禍事件の
被害者となっていた。その事件の取材を通じて
室賀と琴音は知り合い、その後交流を深めてきていた。
やがて毎朝新聞は、自衛隊が北朝鮮で極秘作戦を展開しているという
事実をつかむが、それをどう報道するかについて
マスコミと政府とのせめぎ合いが始まる・・・
「報道の自由」は守らなければならないが、それを行うと
現地で行動中の部隊が危機に陥ってしまう。
作者は元自衛官なのだが、そのせいかどうかは分からないが
作品の基調としては自衛隊/政府寄りで、
マスコミ側は悪役っぽく描かれている。
現在の日本では仮定の話だが、近い将来では
絶対に起こらないとは断言できないシチュエーションではあるだろう。
まあ、そうならないことを祈るのだけど。
この記事へのコメント
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。