カソリックの総本山、バチカン市国。
世界中から寄せられてくる "奇跡" 発見の報に対して
その真偽を判別する調査機関『聖徒の座』。
そこに所属する天才科学者の平賀と、
その相棒で古文書の解析と暗号解読の達人・ロベルト。
「奇跡調査官」である神父二人の活躍を描く第21弾。
短篇集としては5冊めになる。
「透明人間殺人事件」
イタリアの次期首相と目されている国会議員ベルージェ。
彼はホテルで雑誌の取材を受けている最中に突然倒れ、死亡する。
死因は銃殺。遺体の背部には銃創があり、体内から銃弾も見つかるが
なぜか着ている服には銃弾の貫通跡がなかった。
現場を撮影していたビデオにも、犯人らしき者は映っていない。
国家警察隊大佐のアメデオはベルージュ殺害事件の捜査を命じられるが
透明人間の仕業としか思えない不可能犯罪を前に全く目算が立たない。
思い余ったアメデオは、重要犯罪者で脱獄囚のローレンに接触を図る。
ミステリを読みなれている人なら、真相の見当はつくかな。
ただ、○○○○に○○○○を○しておく、というのは如何なものか。
「ダジャ・ナヤーラの遺言」
バチカンで平賀とロベルトのサポートスタッフを務めているシン博士。
彼のもとへ、スリランカに住む従姉妹から連絡が入る。
親類のダジャが亡くなり、息子のアラディブが相続人となった。
しかし、残された遺書は意味不明のアルファベットの羅列になっており
遺産を相続するには2か月以内に遺書の意味を解かなればならない。
シンに頼まれて共に現地へ向かったロベルトは遺書の暗号に取り組むが。
遺書の内容が二重の暗号になっているところがミソか。
金銀に勝る ”財産” を息子に与えようという父の愛が描かれる、
ちょっといい話でもある。
「スパイダーマンの謎」
イタリア内陸部のベニッツェ村。近々ゴミ処理場の建設が決まっている。
ある日の深夜、村の国道沿いの高さ20mに及ぶ巨大看板に
謎の人影が張り付いているところが目撃される。
”それ” は重力を無視するかのように上へ上へと移動していった。
翌朝、巨大看板には処理場建設反対のメッセージと
”スパイダーマン” という署名が描かれていた。
この事件に興味を抱いた平賀は、ロベルトを誘って現地へ向かうが。
超常現象とも思える謎が解明されるのももちろんだが
ロベルトの調理シーンもお馴染み。
毎度のことながら、旨そうなものを作ってる(笑)
この記事へのコメント
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。