作家のクリス・ケントは、友人の実業家ダン・リーパーと賭けをする。
「南アフリカからロンドンへ無銭旅行ができるか?」
クリスはどうにかゴールであるロンドンの
ロイヤル・スカーレット・ホテルへたどり着くが、
空腹のあまり707号室の宿泊客を装って
レストランで無銭飲食をしてしまう。
しかしその部屋はケントの従兄弟ロドニー・ケント夫妻の部屋で
そこにはロドニーの妻ジェニーの死体が。
あわてたクリスは旧知のギデオン・フィル博士のもとへ駆け込むが
2週間前にロドニーが不可解な状況下で殺害されていたことを知る・・・
カー独特の語り口の上手さで、読んでいる間は楽しいのだけど
この真相は如何なものか。
ホテルでの事件の真相はかなりの時間的な偶然に頼ってるし
犯人の行動がねえ・・・これっていろんな意味で無理じゃないの?
そしてなんといっても、犯人の○○○に○○○があったなんて。
「いくらなんでもこれはないだろう」だよねぇ・・・
本書が発表された82年前(1938年)だって、これはNGじゃないのかなぁ。
伏線は張ってある、と言われればその通りなんだけど、
これで納得する人は少ないんじゃなかろうか。
本書を読んだ人はどう評価してるのかと思って、
ネットでちょっと検索してみたんだけど
けっこう評価している人が多いのにも驚いた。
だが、評価の基準は人それそれだ(byぺこぱ)。
カーの(というか創元推理文庫の)新訳プロジェクトの一冊なんだけど、
せっかく新訳にするなら、もっと優先すべき作品は
他にもあるんじゃないのかなぁ・・・なぁんて思わせた一冊でした。
この記事へのコメント
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。
mojo
nice! ありがとうございます。