方舟

方舟 (講談社文庫) - 夕木春央 評価:★★★★☆ 大学時代の友人たち7人のグループが訪れたのは、山奥の地下にある施設だった。しかし地震が発生して出入り口が塞がれてしまう。さらには地下水が流入し始める。脱出する方法はあるが、それには誰か一人が犠牲になる必要があった。 そんな中で起こる殺人事件。犯人を突き止め、そいつに犠牲になってもらえばいい。かくして、命を賭けた犯人捜しが始まる・・・…

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人間たちの話

人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA) - 柞刈 湯葉 評価:★★★☆ 「人間」をテーマにしたSF短編集、なのだけど、たいていの小説は人間を描いているので改めて「人間」を強調するのはどうなのだろう、とも思った(おいおい)。 でも読んでみると、確かに「人間」を強調したくなるのも分かる作品集だった。* * * * * * * * * *「冬の時代」 タイトル通り、”冬” の時代を迎えた地球…

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檜垣澤家の炎上

檜垣澤家の炎上(新潮文庫) - 永嶋恵美 評価:★★★★☆ 時は大正時代。横浜で屈指の豪商・檜垣澤商店では当主が病に倒れ、その妻を中心とする女系家族が経営の実権を握っていた。 主人公・高木かな子は当主の妾の子に生まれたが、母を亡くして檜垣澤家に引き取られる。家族から使用人に至るまでが彼女を敵視するという過酷な環境の中で、孤独なサバイバルが始まる。しかしその中で、かな子は自らの中に眠…

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